第26戦 夜ナンパ
5声かけ
0シカト
1バンゲ
6月初日。
5月は主に、地蔵をせずにスピーディに声かけを積み上げることにフォーカスしていた。
脇目も振らずにフォーカスし続けたおかげで、スピードはだいぶ上がったし、地蔵もかなりしにくくなった。
しかしそのぶん、雑な声かけが増えてしまった。
シカトもされるし、仮に会話が成立しても、ちっともうまくいかない。
そのため、6月については、声かけ内容の改善にフォーカスすることにした。
街に向かう途中、心のこもった声かけ、という言葉がふと思い浮かぶ。
声をかけるのは5声かけまでにして、ひとつひとつの声かけを雑にやらずに、結果を出すつもりで全力でやることに決める。
で、1声かけ目。
声が小さいのか滑舌が悪いのか、何度も聞き返される。
怪訝な顔をされ、ふわーっと、逃げられる。
せっかくシカトせずに話を聞いてくれたのに。
見た目も雰囲気もタイプだったのに。
完全に声かけの仕方が悪かった。
悔しい。
声かけの完成度が高ければ、絶対に何かしらの結果は出たはずだった。
反省点。
声をかけた後に、相手のレスポンスを期待したこと。
Sinnの教えを思い出す。
「最初の10分はしゃべり続けろ。女性が何を言おうと言わまいと関係ない。お前のナンパを展開しろ。」
立ち止まって、声かけ後に話す内容を整理する。
スマホのメモ帳に箇条書きにして、頭で反芻して、記憶する。
そして、街を歩き回り、「好みの女性」を探す。
まあ悪くないかな、程度にしか感じない女性には、声かけしない。
心のこもった声かけができないから。
今日からは、数を稼ぐのが目的ではない。
結果が出るよう、全力で声かけをする。
声をかける前には深呼吸をして、全神経を集中する。
2声かけ目、3声かけ目、4声かけ目。
5月のコミットメント継続の効果か、地蔵せず声をかけられるし、シカトはされないが、反応が薄い。
「街で男に話しかけられたときに、あしらうためのセリフ」
を、テンプレのように返されている。
どの子も、かなり好みの見た目なのに。
悔しい。
5声かけ目。
ひとつだけ、声かけに変化を加えてみる。
これがワークする。
とはいえ、どうしても終電が、とのことで、連絡先交換。
連れ出せなかったのは痛いが、アポの日程は仮決めしてある。
確度は低めだが、どう考えてもだめ、という感じでもない。
帰りの電車の中で、少し安心したような気分になる。
5月にフォーカスしていたことは、正解だった。
あまりに結果が出なくてさすがにモヤモヤしていたが、やはり質を上げる改善活動をスピードを持って進めるためには、試行回数=声かけ数の確保が前提。
その意味で、
「地蔵せずスピーディに声かけして、声かけ数を積み上げる」
という方針決め、さらにはそれを愚直に1ヶ月間継続したことは、今後の結果の出方に正のインパクトが大きい。
ささやかではあるけれど、努力が報われたような気分になる。
今日は5声かけしかしなかったが、これをさらに増やしたときにどうなるか、楽しみで仕方がない。